フランス人アーティスト、パドリグ・モラン(Padrig Morin)さんの個展「FROM CELTIC LAND TO SOUTH ASIA(ケルトの地から南アジアへ)」が現在、コロンボの画廊「Barefoot Gallery(ベアフット・ギャラリー)」(Galle Road, Colombo 04)で開催されている。
1962年生まれのモランさんは、「ケルト」にルーツを持つフランス北西部・ブルターニュ出身。1986年に仏教とパーリ仏典を学ぶ目的でスリランカに移住した。芸術に触れたのは20代半ば。仏教以前のインドを研究している最中に、神のシンボルや色を記憶に定着させようとヒンドゥー教の神々を描き始めたのがきっかけという。1993年に友人の勧めで開いた初個展を皮切りに、これまでグループ展や個展で作品を発表してきた。ヒンドゥー教の神々やマンダラなどを題材に、独学で学んだアクリルに金箔(きんぱく)装飾を施す画法で作品作りに取り組む。
「自分のルーツを知ることは人間として必要不可欠なこと」と考えるモランさんは、古代ケルト信仰も探求した。中東でもヘブライ文化やカバラ、アラビア書道などを学び、多くの作品にはそれぞれの要素を組み込んでいる。
今回の個展では、故郷のブルターニュからインド、中東を経てスリランカへ至った旅路で「心に刻み込まれたさまざまな影響を、ケルト、ヒンドゥー、中東のデザインを通して表現した」作品を展示する。旅の中で直面した「政治的・社会的・経済的側面を作品に取り入れたいと考えるようになった」というモランさん。「静寂と平和の感覚を保ちつつ、デザイン、色彩、シンメトリー、宗教的・文化的シンボリズムを通してその一端を表現できたのでは」とコメントする。
営業時間は10時~18時。日曜定休(25日・26日は臨時休業)。1月7日まで。