ジャガト・ウィーラシンゲ(Jagath Weerasinghe)さんの個展「Impetus(インペタス)」が現在、コロンボ7地区の現代アート画廊「Saskia Fernando Gallery(サスキア・フェルナンド・ギャラリー)」(41 Horton Pl, Colombo)で開催されている。
ワシントンD.C.のアメリカン大学で美術の修士号を取得したウィーラシンゲさんは、現代スリランカ美術の中心的な存在。アーティスト主導のNGO「Theertha Artists Collective(テアルタ・アーティスト・コレクティブ)」の共同設立者でもあり、スリランカの現代アーティストと共に革新的アートを促進・奨励しているという。「情熱的で狂信的な表現が特徴のアートスタイル」で暴力、トラウマ、社会的崩壊などをテーマした作品作りに取り組み、これまでに日本、英国、インド、シンガポール、ドイツなど国内外の50以上の個展やグループ展で作品を発表してきた。
「物事を起こす力・原動力」をテーマに掲げる同展では、1989年から1990年代初頭にかけて制作した作品の一部を展示する。1980年代に起こった社会的・政治的出来事に触発され描いた、切り落とされた頭部、壊れた仏塔、歪んだ人体などの木版画も含み、これらの初期の作品は以降「スリランカ社会や倫理的・道徳的秩序の崩壊を題材に制作するようになった作品の土台となったもの」だという。
ギャラリー担当者は「注目すべき作品の一点」として、スリランカ内戦で子どもを失った母親たちと協力して制作したインスタレーション「Shrine of the Innocents, Kilinochchi: Where is my Child?(キリノッチの罪なき者の社:私の子供はどこ?)」を挙げる。
開催時間は10時~18時。日曜定休。9月30日まで。